一方的相棒宣言(仮)

ただ、守りたかった

「エメラルド!!」
明るい声と共に差し出される、花の冠。
眩しい白に、エメラルドは目を細めた。
「つくったの、あげる!」
真っ白な花の冠を手に、ルビーは笑顔を見せる。
「次はね、アンバーにつくってあげるの」
今此処に、彼は居なくとも。
彼のために、と。
「有難う」
エメラルドは微笑み、ルビーの頭に手をのせた。
何の変哲も無い、日常
ただ、此れを

「済まぬが、伝えてくれ」
落ち着いた声で。
「主がどう思おうと」
エメラルドは。
「我は主を最高の相棒だと思っている」
「……怖くは、ないのか?」
ジェイドは、問い掛ける。
止められないことは、わかっていた。
「覚悟だけは、決めておった」
変わらぬ、声。
エメラルドは、刀を握り締めた。
行かなければ、ならない。


何の変哲も無い、日常。
彼女と居た日々
彼と居た時
ただ其れを、守りたかった

End


蒼さんが「何かリクエストを」と仰って下さいましたので。
「じゃあエメラルドを」とお願いしました。
こんなに素敵に書いて下さいました!
何かを斬りに行くエメラルド、とのこと。
会話の流れから戻って来れ無さそうな雰囲気を感じて、色々考えてしまいます。
ありがとうございました!

2005.07.05