虚像

鏡に映った自分の姿に、彼の面影を重ねた。

人伝にしか知れない彼の姿。
似ている筈など、無いのに。

此処に居ない、彼。
冷たい鏡に、手を添える。

温りなんて、在る筈が無い。


其の刻が、近付く。

キミの為になら、このまま消えてしまっても。

其の刻は、訪れ。


在る筈の無い、温り。

冷たい鏡に、添えた手。
其処に居るのは、自分では無く。

似ている筈など無い。
人伝にしか知れない彼女の姿。

鏡に映った自分の姿に、彼女の面影を重ねた。

End


蒼さんに頂きました、一周年お祝い小説です。
ジェイドとアンバーのモノローグをイメージして下さいました。
もう、まさに!
まさに彼等だ、とどきどきしてしまいます。
「RC」における彼等の関係…
詩的な雰囲気が何とも言えず好きですv
ありがとうございました!

2005.06.17