ディア・ドール
黒く長いコートに身を包み、飄々としていて掴みどころのない男性。
穏やかな口調で会話をするものの、言葉から感情が読み取れず、表情も口元を上げただけの笑みという、浮世離れした出で立ちをしている。 彼は伝説上の種族、エルフであり、実は既に三桁の年月を生きている。 人の姿をしていながら、測ることができないほど大きな魔力を有しており、王宮魔術師として城に仕えるようになってからも、陰ながら恐怖心を抱いている者は少なくない。あだ名は「魔王」。 <本編の内容を含む詳細設定>(白文字のため、反転してください) エルフという種族の特徴に関しては、御伽噺に出てくるような突飛なものしか語られていないが、そのうちのいくらかは事実。 不老不死というのもその一つであり、ディアは外見こそ20代そこらに見えるが、100年を超えて生きており、これから先も「老いる」ことはない。 ただし、「不死」に関しては厳密には正しくなく、老いて死に至ることはなくとも、身体が致命傷を負えば死を迎えることとなる。 彼の表情や言葉から感情を読み取ることができないのは、彼の感情が凍結させられているからである。 彼がまだ長くを生きていなかった頃、親しくしていた人間の死に際して深く悲しみ、その様子をいたたまれなく感じた同胞の魔術による作用。 彼の胸元に刻まれた赤十字は、その魔術がかけられている証。そのため、長い年月が経過した今でも、彼は喜ぶことも悲しむこともできずにいる。 戦時のジェミニゼルが鎧に赤十字を掲げた理由、つまりは彼の命を救った恩人というのがディアのことである。 感情の起伏はなくとも「思うこと」はあるようで、王子の身でありながら自ら剣を取るその姿に、何かが揺り動かされたのかもしれない。 助けた礼として「戦争が終わったら望みを一つ叶える」約束をジェミニゼルと交わし、平和になったウィルベルグ城で「臣下にしてほしい」と申し出た。一悶着あって今に至る。 三桁の年月を生きてきた彼にとって、ジェミニゼルを初めとする人間達は誰もが「可愛い」存在。 それをそのまま包むことなく口にするので、しょっちゅうエラズルなどから顰め面を向けられている。 <本編の内容を含む詳細設定> |
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